不動産会社は売主からの売却依頼ばかりではありません。
買主様からご希望のお土地をお聞きして持主を探し、売買交渉も致します。
持主様と売却のご相談をしますと、よく言われるのが、「安くなったからどうしようか。」とか「今は安いから検討するよ。」とのご返答が返ってきます。
過去と現在を考えるとなるほど坪単価は、20年前の1/2位でしょうか。
随分安くなりましたね。.
では今後、将来はどうなるでしょうか?
ここ10年ほど毎年4~5%ずつ土地は値下がりをしております。
おそらく、今後も下がると思います。ここからはあくまでも私の考えですが、見てください。
皆さんご存じのように価格は需要と供給のバランスにより決定する事が多いです。
土地価格の下落の要因を需要側と供給側の視点に分けてみます。
① 需要側(買主)
バブルは何故起きたかですが、ひとつの要因は団塊の世代の方が土地建物を買われたからです。
今から30年程前丁度、昭和59年オイルショックが終わりバブル経済が発生しましたが、
時同じくして団塊の世代の方が、家庭を持ちお子さんが生まれたときです。
皆さんがこぞって土地や家を購入されました。
又、それを見越して投機目的で購入される方も沢山おられました。
今はどうかと言いますと土地は家や会社を建てる目的が無ければ買いません。
下がる一方だから投機目的には買いません。
余談ですが現在、団塊の世方が65歳前後になり関心は健康長寿、伸びている産業は健康産業、シルバー産業へと変化しましたね。団塊の世代は恐るべし。日本の経済を担ってます。
少子化で今後もお家を建てる方は少なくなるでしょう。又、未婚化も進み家庭を持たない人が多くなりこちらも問題です。
結論は不動産購入希望者は減少しもうバブルはないということです。
②供給側(売主)
1993年の米騒動以来、米の自由化が進み又食文化の欧米化によりパンを主食にされる家庭が多くなり、米の値段が1993年をピークに下がっております。
これにより一時期1俵23,000円近くあった米の価格は現在1俵12,000円台まで落ちています。
これも土地価格下落の大きな要因です。
米価の下落は農家の就労意欲を削ぎました。
耕作放棄の荒れた田が年々多くなるのをみても分かりますよね。
さらに今後TPPが実施されれば米の価格はますます下落します。
それにより、今後ますます田畑を手放す方が多くなるでしょう。
淋しいですが、現実です。
1990年末にこの二つの出来事が偶然起こり想像を超える土地の下落が起きたのだと思います。
今後も毎年5%前後は土地は下がるのではないでしょうか。
具体的にいうとどういうことかは次回にお話します。